7月9日 「暮らしの手帖」花森安治の編集哲学

今回のテーマは、

「暮しの手帖」今、もう一度見直す 〜花森安治の生活哲学と誌面作り〜

 

担当は、暮らしの手帖社の、菅原歩さんでした。菅原さんとは、『別冊暮らしの手帖「やさいのアイデア手帖」』で料理の取材で、辻調の先生が仕事をさせていただいております。

 

今回、菅原さんがお話いただいたレジュメから。

 

■「花森安治」略歴

■「暮しの手帖」の歴史

○広告のない雑誌 (記事=暮しの情報、料理、商品テスト、ルポルタージュ等々)

・暮しの手帖に広告をのせない2つのわけ

 1 編集長として全ページを掌握したい。無遠慮な広告には、耐えられない

 2 スポンサーの圧力を排除する。絶対にヒモつきであってはならない

■花森哲学を体現した、暮しの手帖の商品テスト

・商品テストのスタートは、昭和29年26号から。「日用品のテスト報告」

○「商品テスト入門」(1世紀100号、昭和44年)

・「商品テストは消費者のためにあるのではない」

・生産者にいいものだけを作ってもらうための、もっとも有効な方法

・商品テストは商品批評であり、社会批評であり、文明批評でもなければならない

■暮しの手帖作りの根幹

・「もう、だまされない」「ごまかすな」

・「戦争になだれこんでしまったのは、ひとりひとりが、

自分の暮らしを大切にしていなかったからだと思う」

・日々の暮らしを「大切に」「楽しく」「美しく」

・生活に根差した批評、オピニオン →生活哲学、暮しのリアリズム

■テストした商品で多いもの

 1 毎日の暮しに欠くことのできないもの

主食の米、石けん、タオル、ナベ、カマ、・・・

 2 それがあると便利、快適になるもの

   換気扇、湯沸器、冷蔵庫、掃除機、・・・

 3 必要の是非がわからないもの。たいてい新しいもの

   食器洗い機、脱水乾燥洗濯機、・・・

■商品テストのじっさい

・一体何をテストするか、どの点を調べるか、それを決めるところから始まる

・テストする方法を考案する

・どんなときでも「使っている状態」でテストしなければならない

・じっさいの人間が、5千回の動作をする。複数の人間で

・必ずおなじ条件でテストする

・テストは必ず同機種2台以上購入する。百貨店と町の電気店。正価で購入

・予備テストを行い、よい方をテストする

■商品テストの結果

・商品テストは、批評。

その商品のいい悪いを言わなければ、目的は達せられない

・いくつもあるテスト項目で、どれが一番大切か、・・・平均点ではない

*「商品テストを商品にしてはいけない」

■暮しのリアリズムのもう一面

必ず試作を経て書かれる、レシピ

■レシピができるまで

1 料理人に料理を作ってもらう。採用料理を決定

2 基本的に社内のキッチン・スタジオにきてもらう(家庭の設備でできるもの)

  料理の撮影、レシピ取材

3 レシピ原稿起こし。

4 レシピ原稿をもとに他の編集者が試作。試食、原稿チェック、直し

 

最後に、当日、菅原さんが紹介された、「花森安治の言葉」からふたつ。

「いまの世の中、詩があるのは料理くらいのもんだ。

ぼくたちの暮しに、モノを作る楽しさがのこっているとしたら、

それは料理だ。料理を作るこころには詩がある」

「美しいものは、いつの世でもお金やヒマとは関係がない。

みがかれた感覚と、まいにちの暮しへの、しっかりした眼と、

そして絶えず努力する手だけが、

一番うつくしいものを、いつも作り上げる」

 

菅原さんの静かな語り口のなかから、「暮らしの手帖」の雑誌作りに対する確か信念と情熱のようなものを感じ取ることができました。

 

お話のあとの、質疑応答も活発な夜でした。

 

6月4日 映画クラブ「パリのレストラン」

今回のテーマは、みんなで映画を1本観て、そのあとにお互いの感想などを語り合う、辻調映画部(!)協力企画の第1弾です(参加費無料です)。

 

最初の1本に選んだのは、

 

フランス映画「パリのレストラン(原題:Au Petit Marguery)」。

この映画は1995年作品(95分)。

 

原作・監督ローラン・ベネギ/出演ミシェル・オーモン、ステファーヌ・オードラン、ジャック・ガンブラン、オリヴィエ・ピィほか。

 

物語は、パリの街角で30年、皆に愛され続けて来たレストランの閉店の夜のお話。その夜の食事のなかで、過去が回想され、レストランのオーナー夫妻を軸にさまざまな登場人物たちの人生模様がユーモアとちょっぴりのペーソスを交えながら描かれていました。

 

観賞後のゲスト・コメンテーターとして、辻調グループ校きってのフランス・レストラン通、フランス料理主任教授・肥田順先生が大阪からかけつけてくれました。

 

映画のなかのレストランの時代背景(90年代前半くらいまでのレストランの厨房の様子)が聞けて、参加者に好評でした。

 

今後も、映画と料理のテーマで映画クラブ、続けていきます!

 

 

4月28日 第1回辻静雄食文化賞・報告会

テーマ:「第1回 辻静雄食文化賞」報告会を行ないました。

 

本年度より創設された辻静雄食文化賞。

 

第1回 受賞作」は、作品:『日本めん食文化の一三◯◯年』(奥村彪生・著/農文協・刊)、活動:奥田政行(山形・鶴岡市「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフ)+山形在来作物研究会(代表・江頭宏昌)に決まりました。

 

そこで、4月の<新>塾は、受賞作決定までのプロセスや、受賞作・活動についての報告や、実際に選考にかかわった方もゲストに迎えながら、「第1回 辻静雄食文化賞」報告会とさせていただきました。

 

農文協の編集局次長、遠藤隆士さんは、『日本めん食文化の一三◯◯年』の担当編集者。遠藤さんに、この受賞作の出版までの裏話などもお聞きできました。

 

また、最終選考委員のひとりで、辻調塾の常連でもある、文藝春秋の西山嘉樹さんからは、今回の受賞作がきまるプロセスのお話いただきました。

また、今後の賞のあるべき姿などについても、コメントをいただき、「食文化」を対象にする賞の選考の難しさと、今後の選考の仕組み作りなどに取り組んで行かなくては、と思った次第です。

 

あとは、参加者で、ワインとともに楽しい交流会。今回は、初参加の方も多数いらしたので、面白いお話も聞けました。

 

また、一般に販売も開始した(日にち限定)「アトリエ 辻 東京」(「エコール 辻 東京」内)のお菓子も登場。参加者の注目を集めました!

 

 

「第1回 辻静雄食文化賞」プレスリリースはこちらを

http://blog.tsuji.ac.jp/press/

 

3月12日 「韓国料理とマッコリの世界」

2月12日 「明治期における日本の輸出陶磁器」

「明治期における日本の輸出陶磁器」

 

今回の新<塾>は、井谷先生のゼミ授業のように展開しました。

 

近代日本の夜明けに、アメリカにビジネスとして陶磁器を輸出した瀬戸のノリタケカンパニーの話を軸に、食器の東西交流史を聞く事ができました。

 

17世紀の有田での陶磁器の話はある程度、知られているけれども、明治初期の瀬戸の陶磁器産業のお話は興味深いものがありました。

 

当初、転写柄のほうが、手書きの絵付けよりも高価だった、とか。なんだか、目からウロコが落ちました。

 

最後に、井谷先生が、スーツケースで運んできていただいた、オールドノリタケのカップ&ソーサーを皆で触って、器の文化に、思いをはせました。

 

ありがとうございました。

2010年1月29日(金曜日) 東京+辻調<新>塾「映画のなかの『食』」

「映画のなかの『食』」

 

 ゲストスピーカー:白羽弥仁さん(映画監督・最新作は『能登の花ヨメ』)

 

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新年1回目の勉強会のテーマは、食とメディアシリーズ!

 

白羽監督の食に傾ける情熱をじっくりお聞きする事ができました。

 

また、参加者の方々の映画に対するさまざまな「思い」をお聞きする事もできて、大変に、賑やかで有意義な一夕でした。

 

映画のなかの「食」。これからも、ますます、楽しみです。

 

ぜひとも、このテーマで、パート2をやりたいものです。